来週11、12日に行われるG20首脳会合に向けて
“経常収支を国内総生産GDP対4%に抑える"ことについては参加各国において協調的合意に向けての議論がなされています。
議長国である韓国大統領も、為替レートだけでなく経常収支など総合的評価のガイドラインをどう作るか首脳同士で議論すると表明、何らかの合意を成し遂げられると考えると述べています。
前回の財務相会合でも提案(事前に議長国韓国の提案で開催前に米国ガイトナー財務長官から書簡でも提案)された“経常収支を国内総生産GDP対4%に抑える"ことについては参加各国において協調的合意に向けての議論がなされています。
今月1日の韓国企画財政部とG20首脳会議準備委員会においては、国際通貨基金IMFは最近、慶州キョンジュG20財務相会議に提出した報告書「世界経済展望と政策挑戦課題」で、経常収支と経済力を総合的に考慮しながらG20国家を5グループに分類しました。
韓国を含むカナダ・日本・ユーロ地域を、“先進黒字国”アルゼンチン・中国・インドネシアを、“新興黒字国”オーストラリア・英国・米国を、“先進赤字国”ブラジル・インド・メキシコ・南アフリカ・トルコとその他の欧州国家を“新興赤字国”ロシア・サウジアラビアを“巨大原油輸出国"に分類しました。
これら5グループの強く、持続的且つ均衡的な“Strong、Sustainable、BalancedGrowth”を目標とすることを述べています。
さて何故、経常収支が注目されるのでしょうか。
経常収支(CA Current Account)というのは、国際収支(BA Balance of Payment 経常収支、資本収支、外貨準備で構成)の中心です。
下記の3項目から構成されています。
- 貿易収支・サービス収支(財貨の輸出入と輸送、旅行、通信、建設、保険、金融、情報=コンピュータ・データサービス、ニュースサービス等、特許権使用料、その他営利業務、文化・興行、公的その他サービスの国境を越えた収支)
- 所得収支(国際間での雇用者報酬、例えば外国への出稼ぎによる報酬の受取および投資収益、海外投資による利子・配当金収入等)の支払い。
- 経常移転収支(政府間の無償資金援助、国際機関への拠出金、資産の一方的支払いを計上する。
出稼ぎ外国人の母国への送金。
海外留学生への仕送り等)で、実体経済の国家間での実経済のやりとり=収支の代表される指標となっております。
経常黒字と経常赤字とは、経常黒字は、経常収支が黒字のことですが、これは、対外的なお金の出入りでいえば、収入の範囲内で生活しているということで表されます。
また、経常赤字は、経常収支が赤字のことですが、これは、出費=支出が収入を上回る生活をしているということになります。
世界中の国々が他国と貿易を行っていますが、貿易というのは、財=モノの貿易とサービスの貿易の2種類です。
前述の貿易収支・サービス収支をさします。赤字国は当然赤字な訳ですから、それに見合った資金を必要とするのは勿論の事、通貨そのものの価値も経常黒字国が赤字国通貨の外貨を売って自国通貨にする行為で経常収支の黒字国通貨高、赤字国の通貨安という現象が発生する事になります。
一辺倒の経常黒字と赤字の存在は黒字国だから豊かであるそうでないということではなく、赤字国はある意味消費国でもあり、黒字国は製造販売国とも言えるわけで、消費国は消費し続けるだけでは当然立ち行かなくなりますし、黒字国も消費国に販売していてもそこから得られた冨(ここでいうとお金=対価の資金)を国内に寝かしておくだけには行きません。
常にお互いの消費活動や製造販売活動が均衡的にあるべきで、各国間の相互補完的、且つ有効的な経済活動を構築して行くことにこの経常収支問題と通貨問題が取り上げられる意味があると思われます。
IMFの見解は、G20各国に宛てた調査報告書で、世界的な不均衡是正に向け経常黒字を抱える主要な新興国は自国通貨相場の上昇を真剣に容認し始める必要があると発表、基調にあるゆがみの是正を目標とした政策が欠如しているため世界経済の不均衡は拡大し続け先進国、新興国の双方における成長見通しを脅かしているとの見方を示しています。
外国為替の位置づけは単に売買ではなく世界経済の安定的な成長のための指標でもあるわけです。
豪中銀、予想外の利上げ
11月2日、オーストラリア準備銀行(RBA)が金融政策決定会合を開催し6カ月ぶりの利上げを決定した。
今回の利上げは金融危機後7度目となり、政策金利を0.25%引き上げ4.75%として今月3日から適用している。
今回の利上げが予想外とされている背景には、インフレ指標となる豪州の消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回っていたことで、利上げ前の4.50%に据え置かれるとの思惑が高まっていたことにある。
日米などの主要国が追加の金融緩和政策を継続していることや、比較的高水準となっている政策金利をさらに引き上げることは、一層の豪ドル高を招きやすくなると同時に豪州の輸出などの経済活動を低下させかねない。
また資源国通貨でもある豪ドルでは、高止まりしている商品相場が後押し材料となるケースも多い。
ただ、通貨高による経済の停滞の可能性よりも、RBAは声明文で「より強い成長がインフレを加速させる」との懸念を明らかにし、金融政策の軸足を景気の下支えから物価抑制に重点を置く姿勢を鮮明に打ち出した。
この政策は中国やインド、韓国など新興国も同様で、インフレ対策(利上げ)の新興国とデフレ対策(量的緩和)の先進国の二極化が目立ってきている。
豪ドル相場では、主要国との金利差拡大を材料に買い圧力は根強い。
そのため豪ドルは対米ドルでパリティ越えとなり、1983年12月の変動相場制移行後の最高値を更新している。
これからもRBA以外の金融政策にも十分な注意が必要だが、RBAによるインフレ抑止対策のかじ取りに注目して行こう。
相場の見通し
今週は主要国の政策金利発表や、重要な経済指標の発表が目白押しの一週間となった。
その中でサプライズとなったのがオーストラリア準備銀行(RBA)の利上げ、一方で注目度が高かったものの殆ど市場予想通りだったのが米連邦公開市場委員会(FOMC)といえよう。
RBAの利上げは、日本・米国・欧州・英国などの主要国に対する金利差を優位に位置付け強力な豪ドル上昇圧力の一つとなったが、米FOMCが決定した来年第2四半期までに6000億ドルの長期国債購入については市場予想の5000億ドルをやや上回った程度に落ち着き、市場の期待を損なわない無難な結果に終わってしまった。
ただ9月の声明文では「インフレが統治目標水準を下回る」と指摘していたものの、今回は新たに「完全な雇用」を目指す方針を打ち出している。
インフレとともに雇用の回復を重要視していることを示した。
米FOMCは無難に終了したが、その内容から雇用重視の姿勢が浮き彫りにされた結果、本日22時30分からの米雇用統計にはいつも以上の期待がシフトした形となっている。
ドル円相場では指標発表を控え様子見状態が続き80円台での値動きが続いているが、米雇用統計の結果次第では今週中に史上最円高79円75銭の更新の可能性があると思われる。
また、来週の相場展開は米雇用統計の結果が一時的な方向性を示してくれる筈である。
ただ、資産買取第2弾は円高ドル安要因であり、米国の金利先安感から中長期のドル安トレンドは継続すると思われる。